ETM professional control - オーストリア - オートメーション

優れた顧客体験のために保護とライセンシングシステムを刷新

ETM professional controlが開発したSIMATIC WinCC Open Architecture(WinCC OA)は、複雑なアプリケーションを開発・運用するプロフェッショナルから支持を集めています。しかし、一方で保護とライセンスシステムには、課題もあります。

課題

SCADAは、世界中の重要なインフラを動かしており、最も複雑な、分散、遠隔操作システムです。そのSCADAシステムの一部をWinCC OAは支えています。ソフトウェア技術は、クラウドシステムの活用に向けて急速な進化を続け、市場投入までの時間(Time to Market、TTM)や更新サイクルの短縮を実現させています。最新のオペレーティング環境(例:Dockerコンテナ、コンテナのクラスター)では、ハードウェア面においてはARMからx86まで、オペレーティングシステム(OS)面ではWindowsやLinuxなど、幅広いプラットフォームをサポートすると同時に、不正行為から保護できる十分な堅牢性を備えつつオープンかつ柔軟性の高いソフトウェアが欠かせません。その点、モジュール構造になっているWinCC OAは、インストレーションのカスタマイズを容易に行うことができ、ソフトウェアの保守・展開を簡単に行うことができるという面があります。またライセンシングシステムは、手間なく新機能の追加ができるよう柔軟性が求められます。これにより、特定のWinCC OAの製品ライセンスに組み合わせることができる項目が多岐にわたってしまうという問題点が生じていました。

解決

ETM professional controlは、新たな要件を満たすため、自社で開発したソリューションの代わりに、Wibu-Systemsが提供するCodeMeterを採用することに決めました。CodeMeterは、ハードウェアではARMからx86まで、OSではWindowsやLinux、さらには小型のIoTデバイスからクラウドに至るまで、すべての関連システムとプラットフォームをサポートし、すべてに対して一貫した保護とライセンシングを提供します。また、分散システムの設定、ライセンスコンテナの範囲、さらにはERPシステムとの効果的な統合においても、CodeMeterはセキュアなライセンシングを保証するので、現場のユーザーは、ライセンスの管理や、プロジェクトのニーズに合わせたシステムのカスタマイズなど、様々な選択肢から選ぶことができます。

結果

CodeMeterを保護とライセンシングのソリューションとして統合することで、ETM professional controlとWibu-Systemsに共通する2つの特徴「堅牢性」と「柔軟性」が強化されました。さらに、CodeMeterによる特定の要件に合わせたライセンスのカスタマイズにより、さらに優れた柔軟性と利便性が実現しました。常に時代の流れを敏感に察知していたWinCC OAですが、CodeMeterによって保護されたことで、目まぐるしく変化するソフトウェア技術の要求への対応も可能になりました。テクノロジーと規制要件が絶えず変化する中、ビジネスモデルも同様に変化し続けなければなりません。ETM professional controlが提供するシームレスでユーザーフレンドリーな顧客体験にCodeMeterは貢献することができました。

Dr. Bernhard Reichl CEO, ETM professional control
「弊社のSCADA製品であるSIMATIC WinCC OAは、グローバルビジネスの拡大を目指し、保護とライセンシングの技術としてCodeMeterを採用しました。CodeMeterにより、不正使用からの保護に限らず、パートナーのソリューションに含まれる貴重なノウハウの保護が可能になりました。」

ETM professional controlについて

オーストリアのアイゼンシュタットを拠点とするETM professional controlは、Siemensの完全子会社であり、SCADAシステムのSIMATIC WinCC Open Architecture(WinCC OA)を開発しています。SIMATIC HMI製品の1つであるこのシステムは、交通、水道、エネルギー、石油・ガス、ビルディングオートメーション、その他多くの重要な分野で、高度な制御システムを実行するために使用されています。世界各地に広がるユーザーのプロジェクトを実現するため、開発には、世界中のWinCC OAパートナーとインテグレーターが関わっています。

CodeMeterを採用した背景

WinCC OAは40年近く前に、柔軟性と拡張性に優れたSCADAフレームワークとして、大規模アプリケーションを制御するために設計されて以来、産業/公共インフラ向けに、独自のカスタマイゼーション、優れた監視・制御・管理機能を提供し続けてきました。多様な制御装置や集中監視システムとのシームレスな統合により、豊富な接続オプションから選択することができます。またSCADAソフトウェアは、特定のプラットフォームに縛られることがないため、ネイティブアプリケーションだけでなく、モバイルやウェブユーザーインターフェイスを介したアクセスが可能です。さらに、オープンアーキテクチャーであるために、クラウドのような新たなテクノロジーへ容易に対応することができ、WinCC OAの継続的な利用と投資利益率(ROI)の増加による、ユーザーの持続的な革新が期待できます。

モジュラーOS、仮想化、Dockerコンテナソリューション、クラウドシステムなどにより、市場投入までの時間や更新サイクルの短縮が進み、技術環境は急速な進化を遂げています。そのため、ハードウェア面ではARMからx86まで、OS面ではWindowsやLinuxなど、幅広いプラットフォームで、不正操作や改ざんから保護できる十分な堅牢性を備えた、オープンかつ柔軟性の高いソフトウェアが求められます。そこで活躍するのが、モジュール構造をもつWinCC OAです。WinCC OAでは、常に保守を簡単に行うことができるだけでなく、必要に応じて新機能を追加することで柔軟に拡張することが可能です。但しこれだけでは不十分であり、ユーザー毎のユースケースに合わせ、柔軟性をもったライセンシングシステムが必要となりました。

Wibu-SystemsのCodeMeterは、WinCC OAの特徴である柔軟性にマッチするので、ETM professional controlによる独自開発した保護ソリューションの代わりとして採用されることとなりました。CodeMeterは、多様なプラットフォームに対応し、更新され続けています。その堅牢なAPIがWinCC OAに統合したことで、柔軟なライセンシングが実現し、特に、分散接続コンポーネント向けに、WinCC OAの整合性とセキュリティの保護が可能になりました。ユーザーは、現場以外でも使用可能なライセンシングツールを用いることで、WinCC OAを自動で展開することができます。また、従来のワークフローと最新のワークフローに対応するためには、ライセンス管理がデジタルプラットフォームから独立した状態で行われる必要がありますが、CodeMeterであれば、ETM professional controlの担当者と直接やり取りすることなく、ライセンスのアップグレード、機能の追加/削除、WinCC OAのスケールアップ/ダウンをユーザー自身で簡単に行うことができます。

またCodeMeterを支えるインフラは、ERPやショップシステムと統合されるため、ストアでのアイテム選択からライセンスの発送まで、オンラインで完結することができます。さらにドングルの有り無しにかかわらず、柔軟なバインディングオプションも重要です。ライセンスアイテムプロパティの緻密な構造は、WinCC OAの高度なモジュール構造に対応しており、永続的な収益獲得を目指すビジネスモデルには最適と言えます。また個々のパーツからライセンスを作成する際、依存関係や機能の追加/削除が可能です。

一時的な投資で終わっていた従来とは異なり、昨今では持続的な収益をもたらすビジネスモデルの重要性がますます高まっています。従って、ソフトウエアもまた、この流れに乗り遅れること無く、継続的な使用に対応できる必要があります。また、企業レベルでのサプライチェーン統合は、優れた顧客体験の実現に不可欠です。ユーザーは、オーダーからソフトウェアライセンスの配布、ソフトウェアへの統合に至るまで、一貫したプロセスを期待しているのです。

ETM professional controlとWibu-Systemsのパートナーシップが実現したことで、ユーザーニーズの変化に合わせたソフトウェアソリューションの提供が可能となり、ETM professional controlがもつ堅牢性と柔軟性が強化され、技術的な要求への対応が可能になりました。標準的なプロセスを基礎としつつ、ユーザーがもつ個々の要望にもシームレスに対応できる同ソフトウェアは、ETM professional controlの継続的な発展と顧客満足度の向上に繋がっています。

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