CodeMeter “Trial License” 機能 で、評価版/デモ版を作成

Microsoft、Adobe、Autodesk.などの大規模なソフトウェアベンダー(ISV)から、小規模なISVに至るまで、無料でダウンロード可能な、ソフトウェアの評価版(デモ版)を用意しているベンダーがほとんどです。

評価版では、使用期間(通常30日間)を設定し、その有効期限が切れると使えなくなる、もしくは使える機能が限定される、ということが一般的です。

これまでソフトウェアベンダーは、新規ユーザー獲得に向け、評価版の作成に、本来の製品開発とは別の労力を掛ける必要がありました。しかし、CodeMeter “Trial License“ があれば、そのような負担は軽減できます。

実行ファイルは共通

かつてユーザーから、評価版を作成するため、AxProtectorに簡単なチェックボックスを付けてほしいという要望がありました。なぜ私たちは付けなかったのでしょうか?

これに対する答えはいたってシンプルです。22年前に私たちは、Wibu-Systemsの基本概念として、実行ファイル(インストールアプリ)とライセンスの分離を掲げました。実行ファイルの作成は一種類のみにして、ユーザーへのソフトウェア販売方法に応じて発行するライセンスモデルを変えることを推奨しています。評価版も同様です。このアイデアは、他の競合他社でも広く普及しています。

そして、その背後にある考えもシンプルです。ソフトウェアを一度(AxProtectorで)保護できれば、無料の評価版を含め、自由にライセンスを設定することができます。一部の機能を無効にした評価版を提供する場合も、保護は一度のみで十分です。この場合、IxProtectorとAxProtectorを使用して、機能レベルでの保護を行います。評価版ライセンスには基本機能だけを含め、正式ライセンスには有料機能を含める、ということが可能です。

評価を終え購入に至ると、ユーザーは実行ファイルの再インストールをすることなく、ライセンスを正式ライセンスに置き換えるだけで使用を継続することができます。

アクティベーション不要のライセンス

誰でも使用可能な評価版を希望しつつも、トライアルする全員にドングルを配布したくない場合には、CmActLicenseのバインディングスキームを「none」に設定します。通常、CmActLicenseでは、MACアドレス、CPUシリアル番号など、ユーザー所有のコンピューターの最大4つのプロパティにライセンスをバインドします。しかし、バインドスキームを「none」に設定することで、特定のコンピューターにバインドされることがないため、どのコンピューターでもソフトウェアを実行可能です。つまり、1つのアクティベーションファイル(ライセンス)を使用して、どのコンピューターでもソフトウェアをアクティベートすることができます。これにより、ユーザーとソフトウェアベンダー間でコンピューターのハードウェア情報(フィンガープリント)を取得するための手続きやアクティベーションの手続きを省くことができ、試用のハードルが下がると共にユーザーは好きなタイミングでオフライン環境下においても評価を開始することができるため、より多くの見込み客に評価版を使ってもらうことに繋がります。CodeMeter “Trial License“ を使用すると、上記を実現することができます。

但し、ライセンスの二重インポートなど、設定された使用期間を超える期間の使用は不可能となっています。従って、30日の評価期間が終了した際には、別のコンピューターに新たにソフトウェアをインストールする、もしくはライセンスを購入しない限り、ソフトウェアを使い続けることはできません。

評価版の使用期間を「30日」に設定した場合、ソフトウェアの使用を開始した時点からカウントダウンが始まり、その30日後には使用できなくなります。このカウントダウンをどのように行うかも、ベンダー側で決めることができます。評価版の有効期限が迫っていることを、「今すぐ購入」というリマインダーとともに、ユーザーに対し、定期的に通知することも可能です。このような通知を受けて、ユーザーが実際にソフトウェアを購入すれば、「評価」ライセンスが「正式な」ライセンスに置き換わります。購入されない場合、製品自体はハードディスクに残りますが、ライセンスがなければ起動することはありません。但し、評価期間の終了後、ソフトウェアをアンインストールできるような設定はすべきです。

では、もしも何らかのビジネス上の理由から、評価期間を90日に延長したい場合にはどうすればよいでしょうか?やるべきことは簡単です。ベンダーは、90日間の使用期間を持つ新しいライセンスを作成するだけで良いのです。実行ファイルを変更する必要はありません。つまり、ソフトウェアを一度保護すると、大きな変更を加えることなく、多様な販売方法が可能になるのです。

ポップアップメッセージのカスタマイズ

ライセンスの有効期限が切れた場合、または機能限定の評価版でユーザーが無効なメニュー項目をクリックした場合、何が起こるのでしょうか?このような場合、保護されたソフトウェアは、UserMessagedllから呼び出されるダイアログを生成します。そのdllのカスタマイズや、独自のdllへの置き換えなども可能です。インターフェイスは非常にシンプルに設計されているため、労力も最小限に抑えることができます。

デメリットを上回る、評価版を提供することのメリット

評価版の提供は、マイナス面ももちろんあります。評価版は有効期限が到来すると使えなくなりますが、ユーザーが、別のコンピューターへのインストールや、ハードディスクの初期化を繰り返すことで、評価版を何度も使うことが現実にできてしまいます。500ドルのソフトウェアであればほぼ起こることはないかもしれませんが、10,000ドルのソフトウェアであれば、そのようなことが起こっても全くおかしくありません。しかし、この点だけ留意すれば、安価な一般消費者向けの製品から高性能で専門性の高いアプリケーションに至るまで、評価版は、ソフトウェア製品の売上を伸ばす効果は十分期待できます。

 

KEYnote 21 – Edition Spring 2011

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