ソフトウェア、マシンおよびマテリアルの新たなビジネスモデル

かつて、ソフトウェア業界では「ソフトウェアを一度販売して終わり」というのが一般的であり、ソフトウェア開発者(販売者)とユーザー双方に難点が生じていました。販売者には偶発的な売上以上の安定した収入がなく、一方でユーザーは多額の先行投資をする必要があったのです。ソフトウェア開発者は、保守契約やサポート契約を結ぶことで、より信頼性の高い収入源を生み出すことも可能でしたが、その場合、購入価格の上昇を防ぐために大幅な割引を実施せざるを得ませんでした。

ペイ・パー・ユーズ(マシンの場合)

マシンメーカーにも、同様のビジネスモデルが存在します。繰り返しになりますが、一般的に初期費用は非常に高額です。保守契約やサービス料は、魅力的なアフターサービスの収入源であり、新製品の開発費に充てられます。ソフトウェアに加え、スペアパーツや消耗品の販売も収入源となります。例えば、歯科用インプラントに使用される基本的な材料や、より身近な例では、プリンターのインクやトナー、3Dプリント用の素材などがあります。これらの消耗品はマシンメーカーが販売している場合が多く、別のビジネスモデルの可能性を秘めています。例として、ユーザーに、実際使用した分のみ支払ってもらう、ペイ・パー・ユーズオプションを提供しているケースがあります。短期的には、マシン購入時の投資額やリスクが抑え、長期的には、最低限ユーザーの満足があれば、確実に収入源を得ることが可能です。

ペイ・パー・ユーズ(ソフトウェアのみの場合)

ペイ・パー・ユーズは、マシンや消耗品にしか適用できないというのは誤解です。このコンセプトは、ソフトウェアのみのソリューションにも有効です。例えば、ポンプを校正するソフトウェアを想像してみてください。このソフトウェアのビジネスモデルは、ユーザーが校正するたびに料金を支払うというものです。実際には、a href="t3://page?uid=1220" target="_blank">CodeMeterのようにソフトウェアライセンスを作成することになります。CodeMeterは15年ほど前から、ライセンスごとに料金を徴収しています。これは、すでに成功しているペイ・パー・ユーズモデルの一つに過ぎません。

また、ユーザーがソフトウェアを使用した時間に対して請求することもできます。ドイツのCivilServe社が数年前から国際市場に向けて採用しているアプローチは、この点で非常に興味深いものです。ユーザーは、同社の建設ソフトウェアポートフォリオ全体の使用時間を10時間単位で購入することができます。これは、1つのプロジェクトで一時的にソフトウェアが異なるコンポーネントを必要とする顧客にとって、非常に魅力的なオプションです。また、最終的にフルパッケージを購入する可能性がある顧客との関係を築くことができるため、開発者側のメリットも大きくなります。

保守契約とサブスクリプション

ソフトウェアの典型的な選択肢として、サポート/保守契約、サブスクリプションモデルなどがあります。これらは技術的にはペイ・パー・ユーズモデルと密接に関連しています。ソフトウェアのライセンスには、更新/使用期間の終了日が設定されており、ライセンス更新を実行するプロセスは、自動的に開始されます。ペイ・パー・ユーズライセンスとの違いは、この更新が周期的なイベントであり、ソフトウェアやマシンの実際の使用状況を考慮していない点にあります。このタイプのモデルや手続きの詳細に関しては、KEYnoteの他の記事を参照してください。

技術的な実装

CodeMeterの大きなメリットの一つとして、すでに何年も前からペイ・パー・ユーズ機能を提供し、オフラインでの使用にも対応していることが挙げられます。ドングルベース、コンピューターベース、サーバーまたはクラウドライセンス、これらすべてのライセンスには、ペイ・パー・ユーズカウンターのライセンスオプションが付いています。このユニットカウンターでは、開発側が開始値を設定した後にカウントダウンを開始します。ソフトウェア会社側で、カウンターを自動的に読み取り、絶対値または相対値を使用して、自由にリセットまたは増加させることができます。これは、ペイ・パー・ユーズを実現する上で技術的な基礎となっています。

これらの基礎があれば、プリペイド/消費ベース、両方のモデルを確立することは可能です。プリペイドモデルでは、まずユニットカウンターを特定の値に設定し、特定のアクションに応じてカウントダウンします。カウンターが0になった時点でそのアクションは停止されます。一方、消費ベースモデルでは、ユニットカウンターを最大値の40億(0xFF FF FF FF)に設定します。カウントダウンが始まり、最大値との差で実際に消費されたユニットを知ることができます。

ユニットカウンターのカウントダウン方法は、開発会社のビジネスモデルによって異なります。使用時間で製品をライセンシングする場合、ユニットカウンターは例えば1分ごとにカウントダウンされ、合計時間はライセンスに分単位の値として記録されます。もちろん、間隔を5分や10分に設定することも可能です。これらのケースでは、カウントダウンはAxProtectorに任せてしまえば、手動で実施する必要はありません。

例えば、処理された歯科用インプラント、印刷されたオブジェクト、またはデバイスの校正の数に連動してカウンターを動作させたい場合には、アプリケーションの適切な場所でAPIにこれらを含めます。これは、実際のアクションが許可される前に、まずカウンターがカウントダウンするように設定することで、安全に行うことができます。もちろん、後からカウントダウンするよう設定することも可能です。例えば、犬歯のインプラントには2ユニット、大臼歯には3ユニットというように、操作によって異なる値を差し引くようにカウンターを設定することもできます。

専用のマテリアルのみ

ペイ・パー・ユーズモデルに共通する要件として、マシンユーザーにはマシンへの割引アクセス権が与えられます。但し、そのマシンではメーカーから提供されたマテリアルしか処理することができません。

最も現実的な方法は、ペイ・パー・ユーズカウンターと定義されたマテリアルの量を組み合わせたものです。ユーザーには、x個のマテリアルとy個のユニットが割り当てられます。マテリアルを1つ処理するたびに、カウンターは1ユニットずつ減っていきます。つまり、ユーザーは実際に購入した量のマテリアルでしか作業することができません。もちろん、同じユニットを用いて「グレー」市場から「安い」マテリアルを処理することもできますが、実際のユニットには制限があるため、この選択は商業的には無意味です。

技術的には、マテリアルに印をつけ、その印を認証する手段をマシンに組み込むのがより良い方法です。例えば、対象となるマテリアルが、独自のインテリジェントコンピューティング機能を備えたカートリッジで提供される場合、非対称暗号化を用いたチャレンジレスポンステクニックが安全といえるでしょう。しかし、紙や顆粒のような単純な素材では、これは不可能です。

最も洗練されたオプションは、配送/包装単位ごとに1つのライセンスを定義することです。ライセンスは、マテリアルの透かしのような特定の特性と結びつけることができ、それをスキャンしてライセンスと照合します。また、歯科用インプラントを熱処理した際のインプラントブロックの典型的な収縮のような特性とすることもできます。

ペイ・パー・ユーズライセンスの作成

ペイ・パー・ユーズライセンスの作成/配布プロセスは、他の通常のライセンスやサブスクリプション、保守契約のライセンス、これらの作成と変わりません。ほとんどの場合、ERP、eコマース、CRMソリューションによって手続きが開始され、適切なマテリアル番号が与えられた注文をCodeMeter License Centralへ送ります。そこでチケットの作成(アクティベーションコード、製品番号などと共に)、返却が行われます。ユーザーのチケット受け取り方法(例:PINレター、ライセンスカード、最速かつ簡単な電子メール)は、販売側で決めることができます。

ユーザーは、購入したライセンスやユニットを、ローカルなCmDongle、特定のコンピュータにバインドされたCmActLicense、ライセンスサーバー、またはクラウドサーバーへ転送することができます。この時点から、ユーザーは、ライセンスと無料のユニットにアクセスすることができるようになります。通常、この転送プロセスは、ライセンシングされたソフトウェアへの統合(ユーザーはチケットを入力するだけでOK)、またはシンプルなライセンスポータルを介した処理が行われます。

ライセンス作成のためにインターフェイスを統合するには、2つのオプションがあります。10、100、1000ユニットのような個別パッケージを作成する、またはアイテムを作成し、ユニットカウンターを動的な値として残すオプションです。使用するERP、eコマース、またはCRMソリューションの機能によって、選択は変わってきます。

プリペイドユニットの新規購入

サブスクリプションや保守契約の場合、更新日はあらかじめ決められています。ペイ・パー・ユーズライセンスの場合には、顧客が実際に使用したユニット数に応じて更新されます。

これは、マテリアルがマシンに対してライセンシングされている場合には、シンプルです。配布ごとでのチケットの作成、または該当するマシンに割り当てられた既存のチケットへのライセンスの予約が実行されます。また、自動更新が設定されている場合には、チケットはマシンに保存され、ユーザーからは見えないプロセスで新しいユニットを取得することができます。まれにマシンがオンラインでない場合は、CodeMeterのすべてのセキュリティ機能と保護メカニズムを自動的に含む別個のファイルでライセンスを配布することができます。ライセンスファイルは、ターゲットマシン上で一度のみ使用することが可能です。すべての保留中の更新は自動的に実行され、透過的に完了します。

新しいユニットを手動で購入する場合、ユーザーが注文を行い、eコマースソリューションを使用している場合は、通常、購入完了後すぐに新しいユニットを受け取ることができます。ERPやCRMソリューションの場合、納品までの時間は、特定のシステムやその実装、定義されたプロセスによって異なります。ソフトウェアは、ユニットカウンターが限界に達した場合、ユーザーに通知し、ユーザーが新しいユニットを購入できるようになっています。

自動課金

自動課金では、改ざんや不正操作がされることなく、確実に現在のユニットカウンターが顧客にフィードバックされるよう、双方向のコミュニケーションが必要となります。CodeMeterには、このようなデータをエクスポートする機能が組み込まれています。ERP、eコマース、CRMシステムでどのように処理するか(例:どの顧客にどのような支払い手段が適用されるのか?クレジットカードの有効期限が切れたらどうなるのか?顧客が支払いを怠った場合、どのようにロックされてしまうのか?)は、顧客のビジネスに合わせて定義されたワークフローによって異なります。

請求処理が完了すると、CodeMeter License Centralは、新しいライセンスを作成するか、新しいユニットを解放するように指示されます。手動注文の場合と同様に、これらは新しいチケット、または既存のマシンに読み込まれるチケットとして配布されます。

サードパーティマテリアルの許可

独占禁止法のような厳しい法律、または製造会社が選択したビジネスモデルといった単純な理由によって、ペイ・パー・ユーズの使用の停止、製造会社のマシンでのサードパーティマテリアル使用の許可が強いられる場合があります。これは、契約の具体的な商業的側面に大きく左右されます。例えば、マシンが一定の契約期間で提供されている場合、法的または実務的な制約が、マシンが販売されて実際の所有権が変わる場合と異なる可能性があります。

技術的には、どちらの状況もCodeMeterで容易に対応することができます。サードパーティライセンスでは、マシンがサードパーティマテリアルを処理できるかどうかを決定できます。この場合、顧客がすべきことは、このライセンスの任意の価格での(あるいは無料で)販売のみです。

ペイ・パー・ユーズの終了もスムーズに行うことができます。CodeMeterは、ユニットカウンターのないライセンスを無制限ライセンスとして扱うため、残りのユニットが無限にあるかのように使用することができます。適切なライセンスを作成するだけで制限が取り払われます。ソフトウェアの変更も不要です。

機会と脅威

ペイ・パー・ユーズモデルの導入は、長期的には多くのメリットがもたらされますが、短期的には一定のリスクも伴います。顧客が支払う前払金は少なくなるため、最初の段階では収益が落ち込みます。実際、新しい市場セグメントや新製品に、新しいモデルを導入するのが理想的です。これにより、新たな収益源が既存のプロセスを奪うことを防ぎ、ビジネスに過度のリスクを与えることなく、新しいモデルが顧客に受け入れられるか否かの検証に専念することができます。

では、従来のライセンスとペイ・パー・ユーズライセンス、どちらが顧客にとって最適なのでしょうか?答えは、ターゲット層によって異なってきます。一般に、より新規顧客を増やすことに、このような柔軟性の意味があるでしょう。

まとめ

CodeMeterは、ユニットカウンターを備えたライセンスを提供しています。また、CodeMeter License Centralの自動化プロセスは、永久/サブスクリプションライセンスと同様に、ペイ・パー・ユーズモデルを簡単に扱うことができる最適なソリューションです。同時に、ライセンスを保存するためのセキュアな要素(例:CmDongle、CmActLicense、LAN/クラウド内のサーバー)を自由に選択することが可能です。ライセンスの作成/更新プロセスは、簡単に統合または自動化することができます。そして、適切なライセンスを作成することで、いつでもライセンスモデルの切り替えが可能です。CodeMeterは、ライセンシングモデルの制御を損なうことなく、あらゆるニーズに対して、完全な柔軟性をもたらします。

 

KEYnote 34 – Edition Fall 2017

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