ライセンスの自動更新

CodeMeter License Central では、さまざまな方法でライセンスの配布/更新を行うことができます。バージョン3.20から2つの新機能が導入されました。誤って作成/配布されたライセンスの速やかな(安全かつセキュアな)回収が可能に、そしてライセンスを最新の状態に維持する新機能により、ライセンスの変更を強制的に行うことができます。

会計が一番遅いレジに並んでしまった、誰しもこのような経験をしたことがあるでしょう。想像してみてください。前方にはキャンディバーが欲しいと叫ぶ子を連れた若い母親が、そしてレジカウンターには財布を忘れてしまった年配の女性がいます。このレーンの列が止まってしまいました。「隣のレーンを選んでいれば・・・。」、あなたは、自分の選択を後悔することでしょう。

これはスーパーのレジだけでなく、ライセンス管理の現場でもよくみる光景です。誤って、安価なシングルユーザーライセンスではなく、高価なネットワークライセンスを選んでしまいました。後になって、間違いに気づき、確認しなかったことを後悔します。取引をキャンセルすることもできますが、すべての情報を再度入力しなければなりません。また、ユーザーが誤ったライセンスをアクティベートする前に、その誤りに気付かない場合も考えられます。

ユーザーが、購入し受け取ったライセンスを返却したい、あるいは、営業担当が実際には存在しない更新を約束してしまった場合もあるかもしれません。どうすればライセンスを取り戻すことができるのでしょうか?

回収

新しいCodeMeter License Centralの3.20バージョンには、「回収」機能が搭載されており、ライセンスごとに回収フラグを立てることができます。

まだアクティベートされていない場合、フラグのついたライセンスは即座に回収されますが、すでにアクティベートされている場合には、次のタイミングで実行されます。回収済みのライセンスは、利用できません。

この機能が実行された場合、CodeMeter License Centralでは、ライセンスは以下のいずれかの状態になります。

  • 未回収
  • 回収済み(レシートなし)
  • 回収確認済み
  • 返却済み(レシートなし)
  • 返却確認済み

ここで、ライセンスは循環しています。つまり、返却確認済みライセンスは、未回収のライセンスと同じものです。

CodeMeter License Centralにライセンスがある場合(未回収/返却確認済み)、そのライセンスは速やかにチケットから削除され、ライセンス一覧にも表示されなくなります。注文内容とCmContainerの履歴ログのみが表示されます。

他の3つのケース【回収済み(レシートなし)/回収確認済み/返却済み(レシートなし)】では、ライセンスはまだユーザーの手元にある状況です。ライセンスの回収が指示されると、システムはまず、その回収による他のライセンスへの影響を確認します。例えば、基本ライセンスを回収する場合、前提としてアドオンライセンスを有効にしてはいけません(更新条件には有効な基本ライセンスが必要です)。このような場合、ライセンスの回収は認められず、ソフトウェアベンダーにエラーメッセージが送信されます。

上記のようなチェック完了後、ライセンスは回収対象となり、自動更新リストに追加されます。

Automatic License Update

Auto Update Selected Files

自動更新の実行、または別のライセンスのアクティベ―ト/ディアクティベートにかかわらず、CmContainerの再プログラムと同時に、ライセンスの回収が行われます。技術的には、プログラミングの手順が標準化され、すべての種類のプログラミングが1つのプロセスと順序で処理できるようになりました。

  • ライセンスの回収
  • ディアクティベートするライセンスの手動選択
  • ライセンスの割り当て
  • ライセンスの交換
  • アクティベートするライセンスの手動選択

手動アクションのみユーザー自身が、残りはソフトウェアベンダーが行います。ユーザー側で、これらのアクションを、阻止/スキップすることはできません。一連の流れに矛盾が生じた場合は(例:ライセンス回収後、他のライセンスがアクティベート/ディアクティベートしない)、ベンダーが開始したアクションのみが実行されます。この点が現行のプロセス(完全に終了し、エラーメッセージを送信)と異なります。

間違えた場合、トランザクションをキャンセルする必要になった場合、いずれも問題ありません。ライセンスの回収を実行するだけで、ユーザーのライセンスが次のタイミングで回収されます。

ライセンスの交換

ライセンスの回収だけでは不十分な場合があります。ある理由(例:ライセンス条件の誤記、注文の変更、既存顧客に利用してもらいたい製品の変更)からライセンスを交換したいと思うかもしれません。更新を無料で「販売」することで解決することができますが、これにはデメリットが伴います。後日、ライセンスが(あるCmContainerから別のCmContainerへ)転送された際に、すべてのオリジナルライセンスとそのすべての更新は、まずCodeMeter License Centralへ返却、続いて新しいCmContainerにダウンロードされます。これにより、複雑な計算が生じ、ユーザーは該当するすべてのチケット番号を把握する必要がでてきます。また、チケットデータもその都度複雑化し、関係者全員に混乱が広がる可能性があります。

このような場合、基本的には古いライセンスの交換が有効です。古いライセンスが交換されると、販売履歴やアクティベーション履歴には残りますが、チケットからは完全に消えます。

これは、通常のライセンス回収で使用されるルール/プロセスに従って、古いライセンスを削除することで実行できます。CodeMeter License Centralにライセンスがある場合、新しいライセンスへ交換され、ユーザーの手元にある場合には、次のタイミングで削除、新しいライセンスのアクティベートが実行されます。このプロセスにおける古いライセンスの返却が、唯一異なる点です。新しいライセンスは直接アクティベートされるのではなく、再プログラミング後のチケットで行われます。

ライセンス回収と同様に、ユーザーはライセンス交換を阻止/スキップすることはできません。別のライセンスをアクティベートしただけであれば、ユーザーはそのことに気づかないかもしれません。

このように、ソフトウェアベンダーのビジネスプロセスをより正確かつ効果的にサポートするため、CodeMeter License Centralに強力なツール(ライセンスの回収/交換)が2つ追加されました。

 

KEYnote 35 – Edition Spring 2018

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