CodeMeterによるライセンスモニタリング

「自社のソフトウェアが現場でどのような状況であるか。」これは、多くのソフトウェア開発者やベンダーが自問自答していることであり、単なる好奇心によるものではありません。

ユーザーの行動や嗜好に関する詳細なデータは、使用頻度や各機能の評判に関する有益な情報をもたらします。このような分析は、製品の最適化、最も頻繁に使用されるコンポーネントの絞り込み、変化する現場のニーズやユーザーの期待に応じたライセンスモデルの調整などに役立ちます。

CodeMeterでは、ライセンス状態の追跡を行い、ライセンスの使用頻度/期間を制限するための様々な方法を提供しています。

ライセンスモニタリング

ライセンスモニタリングは、顧客やユーザーによるライセンスの使用状況のモニタリングに有効です。

CodeMeter License Serverは、ネットワークを通じてライセンスを提供し、使用可能なライセンス数とベンダーが定義する設定基準を提供します。測定基準としては、起動したアプリケーション数またはワークステーション(ステーションシェア)数などが考えられます。

ライセンスモニタリング機能は、ユーザー側でアクティベートすることができます。CodeMeter License Serverでは、ライセンスのアクセス許可/拒否時に、ユーザー名、デバイス名またはIPアドレス、およびライセンスIDに関する詳細な情報とともに、すべてのインスタンスを記録します。このデータは、CodeMeter WebAdminのインターフェイス経由でアクセスし、簡単な 統計処理を行うことができます。また、ライセンスモニタリングデータを別のログファイルとしてエクスポートすることで、より複雑な分析結果を得ることも可能です。

独立系ソフトウェアベンダー(ISV)向けのライセンスモニタリング

コストに関するより優れた透明性に加え、ライセンスモニタリングは、未使用または紛失したライセンスの特定にも有効であり、ソフトウェアベンダーにライセンスシステムの最適化に対する新たな方法を提供します。オーバーフローライセンス(顧客が実際に支払った数を超える場合の追加ライセンス)と組み合わせた場合、使用されているライセンスの正確かつ確実な追跡を可能にします。このデータにより、使用期間の超過分の請求が容易になります。

ユーザー向けライセンスモニタリング

ライセンスモニタリング機能により、法人ユーザーは、組織内のさまざまなコストセンターに対し、正確なライセンスの割り当てや請求を行うことができます。アクティブなライセンスのデータを用いて、ライセンスやコストセンターごとの使用料を簡単に追跡することが可能です。

ライセンスモニタリングのテクノロジー

ライセンスモニタリングは、パーサーフレンドリーなフォーマットを使用し、CodeMeter License Serverを通じて、成功/失敗したすべてのライセンス割り当てをモニタリングします。このデータからログファイルを作成し、自動解析を行います。データ自体は、サードパーティの解析ツールやERPシステムで利用できるフォーマットに変換することも可能です。

ライセンスモニタリングでは、利用可能/使用中であるライセンスを秒単位で監視し、まだ現場で使用中か、または既にCodeMeter License Serverに返却されているのか追跡します。変更はすべて、更新という形で記録され、ライセンスのライフサイクルに関する仮想的な履歴が作成されます。

ライセンスモニタリングのセキュリティ

ライセンスモニタリングでは、ユーザーや他の関係者による改ざんを防ぐため、暗号化されたセキュリティでデータを取得します。CmDongleCmActLicense、またはCmCloudにセキュアに保存されたキーを用いて、ログファイルに署名します。

取得されたデータは一定時間ごとに開発者へ転送され、分析や統計処理を行うことができます。リアルタイムでのデータ検証も可能です。

ユースケース:製品管理

大きなソフトウェアパッケージの個々のパーツに対して、いくつかの製品またはモジュールライセンスを提供するソフトウェアベンダーについて考えてみましょう。そのベンダーは、使用されている製品や機能、それらの使用頻度を知りたいと思うはずです。ライセンスモニタリングデータを使用することで、これらが可能になります。ベンダーは、詳細な分析(例:ユーザー別、使用期間別、機能別、時間帯別)を正確に行うことができ、今後の開発方針を決定する上で有益な情報を得ることが可能です。

また、追跡データから、ライセンスの使用状況の長期的な傾向も明らかにすることができます。

ユースケース:使用ベースライセンス

インターネットや携帯電話のサービスプロバイダーなどの一般的な課金方法となっているペイ・パー・ユーズモデルは、ソフトウェアライセンスにも活用されています。CmCloudにおけるライセンスの使用状況は、クラウドを通じて直接確認することができます。しかし、このような直接的なルートがない場合(例:ソフトウェアがインターネット環境が無いオフラインの生産現場で使用されている場合)であっても、後から分析を行うことができます。適切な契約条件であれば、ソフトウェアベンダーは、ユーザーから定期的にライセンスモニタリングログを取得することが可能です。

分析により、秒単位での正確な請求も可能となります。また、クライアント側でライセンスの移動があった場合にも、追跡することができます。さらに、ライセンスの一時的なアップグレードや価格設定の変更も、ユーザー側で実際のアクティベーション時刻が記録されるため、請求に問題が生じることはありません。

想定される使用例

ライセンス使用状況のモニタリングは、多くの場面で有効です。例えば、小売店では、クリスマス前の繁忙期に備え、レジカウンターを増設することができます。また、建設やエンジニアリングの現場で使用される専門性に特化したソフトウェアを使用し、実際の使用量に応じて料金を支払うことも可能です。

シンプルな時間制限

ユーザーによっては、ライセンスの使用状況の追跡を拒否するケースもあります。また、技術的または運用上の理由で追跡が不可能である場合もあります。このような状況において、ソフトウェアメーカーは、ライセンスの使用期間を簡単に制限することができます。

プロダクトアイテムオプションの「ユニットカウンター」を使うと、ライセンス作成者は、一定の使用回数に制限されたライセンスをプログラムすることができます。保護されたソフトウェアの起動時に合わせて、カウンターの数値が減少します。また、開発者側でCodeMeterのAPIを通じて、行うことも可能です。

また、ソフトウェア開発者は、この機能を利用して、使用中に特定の間隔でユニットカウンターを減少させることで、時間制限を設定することもできます。この方法で、さまざまな時間ベースのライセンスモデルを簡単に実装することが可能です。例えば、制限を特定の分/時間に設定することで、カウンターは1分/1時間ごとに1ユニットずつ減少していきます。

さらにユニットカウンターは、時間制限以外にも有効です。例えば、合意した(かつ支払った)使用期間後のベンダーへのライセンス返却、使用期間後の新規ライセンスへの切り替えなどによる、使用ベースの請求にも役に立ちます。実際の使用時間は、ユニットカウンターで計算し、選択した料金モデルに応じて課金することができます。

モジュラー型ライセンスモデルを使用する場合、ライセンスが付与された機能に対して、使用時間を制限したり、請求のために追跡したりすることも可能です。

詳細については、当社のウェブサイト、または2022年9月に開催されたウェビナー(英・独)からご覧いただけます。

 

KEYnote 44 – Edition Fall/Winter 2022

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