クラウドライセンスに関するあれこれ

ロバート・プラントの『天国への階段』は、私たちに「なぜなら言葉には二つの意味がある」ということを思い出させます。当時、彼が「クラウドライセンス」という用語を知っていたら、その数を増やしていたかもしれません。クラウドライセンスには非常に多様な種類、形、サイズがあるのにもかかわらず、2つの意味しか持たないのは、ある意味で魅力的であり明確です。この記事では、最も一般的なパターンと、それに対する CodeMeterのソリューションを紹介します。4つの基本的な構成要素は、ERPシステム、ライセンス管理システム、ライセンスコンテナ、そして保護とライセンス供与されたアプリケーションです。これらはオンプレミスまたはクラウドで存在することができ、他の多くの組み合わせや並びが考えられます。

何でもこなせるライセンシング

CodeMeterは、組み合わせ全てに対して、完全にバランスと一貫性のあるソリューションを提供します。複雑に組み合わされた設定でも全く問題はありません。ERP、CRM、またはeコマースシステムへの標準化された統合により、ライセンスの作成が容易となっています。そこでは、ユーザーがチケットを送信してライセンスと引き換えます。また、アクティベーションプロセスにおいても、特定のユースケースに合わせて調整できるよう設計されています。例えば、ライセンスを受け取るユーザーが最初の購入時にすでに明らかな場合、ライセンスは自動的にアクティベートすることができます。また、ライセンスが最初に作成された際、対象となるユーザーが不明な場合には、ユーザーがチケットを入力した際にアクティベートしてユーザーにバインドするということが可能です。

コアとなるモジュール

CodeMeter License Central

ソフトウェア開発者は、CodeMeter License Centralでライセンスの作成/管理/配布をすることができます。ソフトウェア製品のライセンスが設定および作成され、CRM、ERP、またはeコマースシステムを統合することにより、広範な自動化機能が再び使用されます。開発者は、ユーザーがライセンスの移動、紛失ライセンスの回復、既存ライセンスの変更、必要に応じたライセンスの削除をすることを許可することがきます。

License Portal

License Portalは、CodeMeter License Centralのアドオンモジュールで、エンドユーザーが24時間自由にライセンスにアクセスできるよう設計されています。開発者が選択した設定に応じ、ユーザーはポータルにアクセスして、ライセンスをアクティベート、移動、または返却したり、ベンダーからのライセンス更新の取得が可能です。これらの更新は、他のアクションを実行する前に自動的にバックグラウンドで適用され、ユーザーがスキップすることはできません。したがって、ライセンスを拡張したり、実際にライセンスを撤回したりする際に最適な手段となっています。ゲートウェイと呼ばれるAPIを使用して、ライセンスアプリケーション内からLicense Portalにアクセスすることも可能です。このシステムは、ライセンスの更新を透過的にはしますが、ユーザーにとって邪魔になるものではありません。

CodeMeter Cloud Lite

CodeMeter Cloud Liteは、ライセンスを提供するサーバーアプリケーションです。このライセンスは、モバイルデバイス上のSaaSアプリケーションまたはソフトウェア用にCodeMeter License Centralで作成されます。CodeMeter License Centralが最初にライセンスを作成する際、ライセンスはどのユーザー/デバイスにも割り当てられません。CodeMeter Cloud Liteの場合、ライセンスがアクティベートされて初めて、目的のデバイスに送信、または目的のユーザーへバインドされます。CodeMeter Cloud Liteには、ユーザー管理システムが搭載されていません。代わりに、ベンダーのSaaSサービスの既存ユーザー管理システムとリンクされています。

CodeMeter Cloud

CodeMeter Cloudは、モバイルまたはクラウドソフトウェアの保護およびライセンシングのための包括的ソリューションです。ライセンスは、クラウドに保存され、ユーザーは外出先からアクセスすることが可能です。 ユーザーは、CmCloudContainerで、ライセンスにアクセスするためのデータ(クレデンシャルファイルの形式)にアクセスするだけでよいのです。

CodeMeter Cloud Liteは、必要最低限のREST/SOAPライセンシングAPIを使用しますが、CodeMeter Cloudは、通常のCmDongleおよびCmActLicenseとの完全な互換性があり、標準/.NET/Javaアプリケーション用のAPIを備えています。また、CodeMeter Protection Suiteの自動保護も提供しています。License Portalを介した既存のユーザー管理システムとの統合が可能ですが、システムで必須というわけではありません。

CodeMeter Cloudのサーバーは、すぐに使えるターンキーサービスとしてWibu-Systemsによって運用されています。

SmartBindを使用したCmActLicense

CmActLicenseは、暗号化された手段によって、ハードウェアデバイスまたは仮想環境にバインドされる暗号化されたライセンスファイルです。そして、CodeMeter SmartBindは、CodeMeterが環境を認識し、可能な限り最高なバインディングを実現するためのテクノロジーです。ハードウェアの特定のプロパティが変更された場合、テクノロジは、定義された許容範囲で許可します。仮想/クラウド環境の場合、バインディングはプロバイダーの識別子に依存します。Wibu-Systemは2つの主要プロバイダーと協力関係にあるため、Amazon Web Service(AWS)とMicrosoft Azureで特に信頼性の高いバインディングが、保証されています。

ユースケース

クラウドで管理されるオンプレミスソフトウェア

B2Bでのインストールの最も一般的なユースケースは、ローカルライセンス、またはLAN内のサーバーで保持されているライセンスを持つ、従来のローカルにインストールされたソフトウェアです。

この場合、CodeMeter License CentralとCmActLicenseが推奨されます。また、オプションのLicense Portalまたは統合されたアクティベーションウィザードもあります。CodeMeter License Centralを使用することで、ユーザーは自分でライセンスをアクティベート、移動、場合によっては回復させることもできます。 常時接続ではなく、定期的にインターネット接続を行う場合には、チェックポイントメカニズムを使用して、定期的なライセンス更新を実施することができます。ライセンスが別のデバイスですでに回復されている場合は、最初のデバイスのライセンスは取り消し、または単に失効したままとなります。

SaaSソフトウェア

ベンダーがホストするSaaSのライセンスを取得するには、CodeMeter Cloud LiteとCodeMeter License Centralの組み合わせが最適です。ユーザーは、ブラウザを介してSaaSアプリケーションにアクセスしてログオンすることができます。バックグラウンドでは、SaaSソリューションは、CodeMeter Cloud Liteと通信し、ライセンスされた機能とライセンス条件に関する最新情報(有効期限など)を取得します。

プライベートクラウドのオンプレミスソフトウェア

この場合、ベンダーは通常のオンプレミスソフトウェアを販売していますが、ユーザーは、ITインフラを外部委託しており、シンクライアントのみを使用しています。そして、ソフトウェア自体は、プライベートクラウド(例:AWSまたはAzure)内の仮想マシンで実行されます。

CodeMeterには、このシナリオに最適な2つのオプションがあります。一つ目のオプションは、SmartBindを使用したCmActLicenseです。Wibu-Systemsは、MicrosoftおよびAmazonとの協力関係により、高いセキュリティとトップクラスの信頼性が保証されるため、このオプションの使用が可能です。この場合、仮想マシンを移動することもできます。CmActLicenseは、仮想マシンが複製された、またはスナップショットに戻された場合にのみ無効となります。

もう1つのオプションは、CodeMeter Cloudです。ライセンスコンテナにアクセスするために必要となるクレデンシャルファイルは仮想マシンに配置され、ライセンスはWibu-Systems自体によって追跡されるため、仮想マシンを移動、コピー、またはユーザー好みに戻すことができます。ユーザーが所有する以上のライセンスを許可する必要はありません。

オンプレミスソフトウェアのモバイルオンライン使用

ユーザーは、オフィスと本社とを移動する際など、常にオンライン上で、外出先でもソフトウェアを使用したいと考えています。

これは、CodeMeter Cloudが作成されるに至ったユースケースです。クレデンシャルファイルは、ユーザーのすべてのデバイスにインポートされ、ユーザーはどこからでもソフトウェアにアクセスすることができます。ライセンス数は、クラウド上で注意深く追跡されているため、 例えば、シングルユーザーライセンスは、一度に1つのデバイスでのみ使用可能です。複数のユーザーがデバイスを共有している場合には、License Portalを使用してクレデンシャルファイルを管理し、使用後にそのクレデンシャルファイルを削除することができます。通常、必要なライセンスはCodeMeter License Centralで作成されます。

オンプレミスソフトウェアのモバイルオフライン使用

このシナリオでは、ユーザーはオンライン環境とオフライン環境との間を移動します。ライセンス化されたソフトウェアをオフラインで使用できるようにするには、意図的または不正なライセンスの複数回の使用を防ぐための予防措置を講じる必要があります。一般的な解決策としては、CmActLicenseの形式で、特定の数のデバイスで、オフラインでアクティベート可能な特定の数のライセンスをユーザーに提供することが考えられます。これは「クラウドによって管理されるオンプレミスソフトウェア」のアプローチに似ていますが、チェックポイントライセンスモデルを使用するには、インターネットへの定期的な接続が必要となります。これらは、チェックポイントに到達した上で、他のデバイスまたは元のデバイスが削除された際に、他のデバイスでアクティベートすることができるライセンスです。ユーザーがチェックポイントを待たずに別のデバイスに移動したい場合には、CodeMeter License Centralを使用して早期にディアクティベートすることが可能です。

サマリー

CodeMeterには、さまざまなコンポーネントでカバーされた、すべての種類のクラウドライセンスが存在しています。CodeMeter License Centralは、考えうるすべてのユースケースのライセンスを作成する、シンプルで標準化された方法を提供します。ライセンスは、CmCloudContainer、CmCloudLiteContainer、およびCmActLicenseの3つの方法のいずれかで保存することができます。また、Wibu-Systemsの専門家が、完璧なクラウドライセンスアーキテクチャの設計を支援し、クラウドへと続く階段を上る手助けをさせていただきます。

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